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●フォーラム「社会起業家を育てるファンド」2009年11月20日


ミュージックセキュリティーズ株式会社代表取締役 小松 真実氏

◎2009年11月20日 フォーラム「社会起業家を育てるファンド」


◎ミュージックセキュリティーズ株式会社代表取締役 小松 真実氏


◎(動画)
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NPOフォーラム (例会No.132)フォーラム「社会起業家を育てるファンド」
レクチャー:ミュージックセキュリティーズ株式会社代表取締役 小松真実氏
2009年11月20日

【レポート】
2009年11月20日 フォーラム「社会企業家を育てるファンドとは」
ミュージックセキュリティーズ株式会社、社長小松真実さんをお迎えし、さまざまな分野
の事業者と個人投資家とをつなぐ新しい資本市場についてお話をお聞きしました。

19時から約30分間、小松さんが会社概要、サービス内容などを説明して下さいました。
会社概要 : 2001年11月設立、資本金約1億7千万円、準備金約1億6千万円。株主は、新しい
分野へ挑戦していける若いメンバーが殆どで、世の中の為に、時間がかかるけれど良いもの
を求める。音楽家がやりたいことができる資金を個人投資家から集める。
運用システム : 全てインターネット上で情報を発信し、会員登録・契約・決済等も全て
インターネット上でおこなう。
サービス内容 : 会員登録すると「マイページ」を持つことができ、個人投資家はいつで
もCDの売上や配当等を見ることができる。インターネット上で資金を集める仕組みを持っ
ているので、音楽に限らず色々な分野に広めていきたい。アンケートでは、92.6%の個人
投資家が、単なるファンではなく、色々なツールを利用して仲間集めやPRをしているので、
口コミで広まっている。個人投資家の名前をCDのクレジットに載せて発売したこともある。
現在は、三菱地所さんと提携し「good music marunouchi」という共同プロジェクトをおこ
なっているそうです。これは、東京丸の内から新しい音楽を生み出すことを目的としたプロ
ジェクトで、丸ビルを利用し、イベントやCDの即売等もおこなうことで、丸の内に勤務する
個人投資家が急増しているそうです。

そして、音楽だけでなく他分野の事業もおこなっているそうです。いくつかご紹介していた
だきました。
「農業ファンド」 : あるオーナーが1000万円を調達しもっといいお米を作りたいという目的で
始まった。事業者は、金融機関からだけでなく、小松さんの会社のシステムを通し、個人
投資家から資金を調達することによってファンも増えている。
「エコファンド」 : 農業を営んでいる方が、放置された杉植栽林を伐採し、そこで豚を放し飼
いし育てる。現地への見学ツアーもおこなっているそうです。
「純米酒ファンド」 :「全量純米蔵を目指す会」これは、埼玉の神亀酒店が、個人投資家と一緒
に良いお酒を作りたい、そして、味を次世代に引き継いでいきたいということで個人投資家
から資金を調達しているそうです。
「ジーンズファンド」 : 「天然藍染桃太郎ジーンズファンド」これは、天然の藍染めで、しかも
手織りでジーンズを作る事業者への投資です。ジーンズは1本18万円ほどで、クオリティは
世界一だそうです。

小松さんが、いくつか事業をご紹介下さった後、社員の杉山章子さんにバトンタッチ。
彼女は、米国のコロンビア大学国際公共政策大学院でマイクロファイナンスを学び、貧困の
国を支えたいということで小松さんの会社に入社。説明して下さったのは、
・「カンボジアONEマイクロファイナンス機関CHCへの出資」
まず、この”マイクロファイナンス”とは、貧困のない世界を作るために個人投資家が貧困
層向けに支援できるサービスです。
そして、小松さんの会社が現在募集している日本初のマイクロファイナンス「カンボジアONE」
の借り手の多くは女性で、日本から個人投資家がわずかな資金を援助し、それを元に現地の
借り手が小さなビジネスを開始する手助けをするというものです。1口3万円からで上限は33口、
99万円。日本からの一口の出資でも、発展途上国にとっては貧困から抜け出すための貴重な
機会となり、現地の借り手は経済的に自立できます。
例 : 日本からの一口3万円の投資は、満期6ケ月の100ドルのマイクロファイナンスとして繰り
返し利用されれば、3年間で18人のビジネスに有効活用される。個人投資家は、3年に渡って
ずっと関心を持ってもらえることが、政府からの国際援助と違う重要なポイントだそうです。

・質疑応答 : 19時半から21時まで参加者から途切れなく質問が続きました。小松さんが一つ
一つ丁寧に答えて下さいましたので、いくつかご紹介します。
Q:以前、バンド活動をしていて、インディーズマーケットで音楽家が自主制作するのも難し
いことを知り会社を立ち上げた小松さんですが、設立当初の音楽事業以外に、他分野の酒蔵
などへの事業をどのように見つけたのですか?
A:最初から酒蔵の事業をやろうと思ったわけではなく、田植えをしたのがきっかけ。音楽家と
同じように酒蔵もこだわりを持っていることを知りました。多くの個人投資家から資金を
調達することで、金融機関からの融資と違い、酒蔵を応援するファンもたくさん増えました。
見学ツアーをおこなったりすることで、メディアに取り上げてもらい、口コミでも広まり
ました。
Q:個人投資家へのリターン実績はどうですか?
A:現在のところ半分くらい償還しています。弊社の事業は、個人投資家との元本保証の契約
ではありません。利益の何%という契約です。弊社と契約する個人投資家は、元本以上の
お金を期待することよりも、事業者と共に喜んで、事業者の目標を達成するためにプロモー
ターとなって、ブログやSNSサイト等で応援し、楽しんでいます。
Q:音楽家への投資は、毎日CDの売上がインターネット上で見ることができるとお聞きし
ましたが、他の分野も同じように見ることができますか?
A:酒蔵は、毎日ではないが弊社が随時情報をアップしています。レストランへの投資だと、
毎日営業利益を見ることができます。更新頻度は、それぞれ違います。
Q:小松さんの会社は、現在何人の社員がいますか?
A:16人です。宣伝費用にお金はかけません。個人投資家へのソーシャルリターンをどれだけ
生むことができるかを毎日考えています。音楽家も酒蔵も、、、皆人生をかけています。
日々挑戦を続ける音楽家や事業者と個人投資家とをつなぐ新しい資本市場です。

・21時から場所を移動し、参加者と小松さん杉山さんとの懇親会をおこないました。
懇親会の場でも参加者からの質疑応答が続きましたが、小松さんは本当に丁寧に回答して
下さいました。たくさん質問が出たことは、それだけ参加者の関心の深さを感じました。
そして、次回のラオス大使館でのフォーラムにも参加して下さるかもしれないそうです。
まだ申し込みされていない方、まだ間に合いますので、ぜひご検討下さい!
そして、参加者の中から2名様に、ラオス行きの航空券が当たるそうです!!
(記 高田みゆき)

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